映画『ちゃわんやのはなし ―四百年の旅人―』2024年5月18日より全国順次公開が決定
工芸トピックス VOL.24
展覧会情報やインタビューなど、工芸に関するさまざま情報を発信しています。
北海道
2024.4.16 – 4.22
札幌三越
東京都
2024.4.17 – 4.22
日本橋三越本店
東京都
2024.4.17 – 6.30
戸栗美術館
2024.4.18 – 6.16
三井記念美術館
李朝時代の朝鮮で盛んに作られた粉青沙器。その自然体の美は、日本に渡り数多の茶人に愛でられ、時代が下っても日本人の心を捉えて離さないでいる。なかでも育て甲斐のある器として賞玩されているのが、粉引茶碗だ。その柔らかな白は、使い手とともに時を重ねる中でいかようにも変化する、無限の可能性を秘めている。
鈴木大弓は、粉引の故郷である韓国で陶芸を学んだ経験を持ち、現在は伊賀を拠点に作陶に励む。すっきりとした形姿、細かく貫入の入った白い器肌が美しい本作は、伊賀と信楽にまたがる山間で採取したという赤土を用いて作られた。化粧土の薄い高台にほんのりと黒く顔をのぞかせる土味が品の良い趣を湛えている。どこまでも滑らかな白に映る茶は、このうえなく美しく引き立つであろうことは想像に難くない。使い手は、時が経つほどに味わいを深めるこの茶碗に、幾度となく新鮮な魅力を発見することだろう。