「クラフトマンシップ」
連載コラム『日本工芸の歩む道』後編「現代社会と工芸」 VOL.2
展覧会情報やインタビューなど、工芸に関するさまざま情報を発信しています。
京都の宇治で400年以上の歴史を持つ朝日焼の家に生まれる。京都でろくろを学んだ後、父の元での修行、英国セントアイブスのリーチ窯での作陶活動を経て、十六世豊斎を襲名。歴代が後世に残した土を用い、伝統的な作品の鹿背、紅鹿背や、自身で作り上げた作風の月白釉流シなど茶陶を主に制作し、海外にも活躍の場を広げている。
伝統性と現代性、素朴さと洗練さ、力強さと柔和さ。相反するような二面性が穏やかに調和する作品は、小堀遠州の美意識「綺麗寂び」を今の時代に体現するものだ。宇治の土の魅力に迫り、連綿と窯に受け継がれる精神を引き継ぐ作家の覚悟は、寂びと優美さを併せ持つ、作品の一つ一つに宿っている。
京都府宇治市にて、十五世豊斎の長男として生まれる
京都陶工高等技術専門校にて轆轤を学ぶ
朝日焼にて作陶開始
英国セントアイブスのリーチ窯に滞在、作陶する
十六世豊斎を襲名、高円宮妃殿下より「朝日」の刻印を拝領する
京都髙島屋を皮切りに全国各地にて個展を開催
ウェールズ国立美術館にて作品買上
香港政府主催「継承」展に作品出品
ロサンゼルスNonaka-Hill galleryにて個展
京セラ美術館「跳躍するつくり手たち」展に作品出品