深山より箸置き《やきイロ》シリーズが新登場
新商品情報 VOL.20

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日本の伝統工芸ブランド「Tashinam(タシナム)」の第一弾商品として、切れ味の高さと簡単な手入れを両立した《完全無欠包丁》が発売された。《完全無欠包丁》は、800年の歴史を誇る刃物文化の町・岐阜県関市の刃物職人の技術を集結させて生み出されたアイテム。切れ味の良さが特徴で、他社製品と比較試験したところ、切れ味に約3倍の差があったことが科学的に証明されているほか、錆びづらさや手入れの容易さなどの優れた特徴がある商品だ。
「Tashinam」ブランドオーナーの松家優さんに、ブランド設立や《完全無欠包丁》の企画開発、そして日本のものづくりへの想いを伺った。
鋭い切れ味が長く続き、錆びづらく手入れがしやすいといった特徴があります。刃には超硬質合金鋼V金10号と呼ばれる鋼材を使っています。これは鉄とクロムに加えて別の素材を配合したもので、硬く錆びづらい性質を持っています。通常は刃先にしか使わない素材ですが、本商品では刃全体に使っています。
また、既存の包丁の多くが、ミニマルなデザインの家具やインテリアが多い現代の生活の雰囲気に馴染みづらいように思ったので、今の暮らしに溶け込みつつ単独でも美しく見えるデザインを心がけました。そのほか、想定にそぐわなかった場合はお届け日から「4日以上7日間以内」であれば全額返金・返品を保証するフリートライアル制度や、有料にはなりますが関の刃物職人による研ぎ直しサービスも設けて、安心して購入いただけるように努めています。
日本で刃物産業が盛んな地域は堺市(大阪府)・三条市(新潟県)・関市(岐阜県)ですが、私は岐阜県出身でして、ゆかりのある場所に還元したいと考えました。関市は刃物作りの長い歴史があって技術も蓄積されているので、そういった地域で職人と一緒に仕事をしたいと考え、共感いただいた方々と協働しています。
弊社の場合はデザインを自社で行なっているので、そもそも技術面でそのデザインが実現可能なのかという不安もありました。結果としては無事に完成したのですが、作り手に長い時間を捧げていただいたので、出来上がった時は、達成感というよりは「しっかり売っていかなければ」というプレッシャーの方が大きかったですね。したがいまして、この包丁を広く世界中に届けたいと思っています。
キッチンバサミやおろし器、ピーラーなどの新製品を考えています。機能面だけではなく、使っただけで食材がおいしくなるような製品にしたいですね。ほか、やきものの技術を生かしたキッチン用品や、わっぱの技術を使ったせいろなども考えています。日本の檜は香りや手触りが素晴らしいだけでなく、見栄えが美しく、しかも食材の旨味や食感を引き立てます。ただ、曲物の技術を持つ職人が減っているので、それは課題ですね。ほかにもインテリアの照明なども手掛けてみたいです。やりたいことは尽きません。
文:中野 昭子
商品概要
ブランド:Tashinam
商品名:完全無欠包丁
サイズ:全長340mm 刃渡り203mm 幅50mm 重量163g
価格:35,200円(税込)
産地:岐阜県関市
鋼材:V金10号 (無垢材100%)
問い合わせ先
Tashinamオフィシャルサイト:https://tashinam.com/