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『Time & Style New Products 2025』Time & Styleが日本でも新作を発表

Time & Style Largo Treves(Milan Showroom)

Time & Styleが2025年4月のミラノデザインウィークに続き、東京と大阪で新しいプロダクトコレクションを発表した。チェア、サイドテーブル、シェルフ、キャビネット、パーテーション、照明と多岐にわたるコレクションは、日本の素材を用い、職人の手によって全て国内で丁寧に作られている。

染織家・築城則子と小倉縞縞、Time & Styleが共同で開発するインテリアテキスタイルにも新作が登場。Time & Styleを展開するプレステージジャパン代表・吉田龍太郎の、日本の家具に日本製の生地を使いたい、という話を受けて3年前に始まった家具向けのオリジナルテキスタイルの開発は、小倉織の伝統を守りながら日本の染織の新たな可能性に挑戦するプロジェクトとなった。今回の新作生地《さざれ石》は、自然界で長い年月を経た丸みのある小石が着想源。先染めの木綿とウールという、2種類の異なる自然素材による色の濃淡が生地に陰影を与え、素材の収縮率の違いが立体的な質感とユニークな表現を作り出している。

デザイナー、寺内ユミによる《Amagumo(天雲)》は、空に浮かぶ雲を表現した照明。指物の技法で複雑な構造やおさまり、強度、仕上げの美しさにこだわって制作した箱を意図的にずらして重ね合わせ、雲の軽やかさや無重力感を表現した。見る角度によって異なる表情が自然界の不規則性や無作為な美を想起させる。美濃和紙が拡散する柔らかな光が空間に動きと静けさ、ぬくもりと品格を与えてくれる品だ。

他にも、国内外のクリエイターによる日本の木材と木工技術を用いたさまざまな椅子や、Time & Styleのものづくりを象徴するプロダクト《Museum cabinet》にも新たな型が多数登場。伝統と革新が融合し、現代の生活に溶け込む本質的な美意識を反映したコレクションを、ぜひショールームにて空間の美しさと共に堪能してほしい。

 

◾️ 関連情報
Time & Style New Products 2025
https://timeandstyle.news/2025-collection-jp/

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KOGEI STANDARD

編集部

KOGEI STANDARDの編集部。作り手、ギャラリスト、キュレーター、産地のコーディネーターなど、日本の現代工芸に関する幅広い情報網を持ち、日々、取材・編集・情報発信を行なっている。