第2回京都クラフト&デザインコンペティション『TRADITION for TOMORROW』開催
工芸トピックス VOL.41

展覧会情報やインタビューなど、工芸に関するさまざま情報を発信しています。
東京都
2025.9.3 – 9.8
日本橋三越本店
東京都
2025.9.3 – 9.15
日本橋三越本店
東京都
2025.9.4 – 9.9
柿傳ギャラリー
2025.9.5 – 9.20
HULS GALLERY TOKYO
特定非営利活動法人DENTOが主催する「第2回DENTOサポートプログラム」の受賞者が発表された。「DENTOサポートプログラム」は、海外の富裕層インバウンド観光客向けにユニークな体験を提案するクラフト・ツーリズムの事業収益を原資として、日本の伝統工芸における担い手を支援することを目的に、2024年より実施されているプログラムだ。今年度は全国の工芸事業者から集まった合計21件の応募者の中から、株式会社金剛組、有限会社中村ローソク、有限会社南條工房が〈若手職人支援(弟子育成)プログラム〉を受賞。須佐真、MORI KOUGEIが〈DENTOアワーズ:工芸アワード(商品・作品)〉を受賞した。
〈若手職人支援(弟子育成)プログラム〉では、次世代の職人・作家を受け入れ伝統技術を継承していくことに意欲がある法人・個人・団体(任意団体含む)を支援する。大阪に本社を置く金剛組は、1400年以上にわたり神社仏閣の建築に携わってきた、約100名の専属宮大工を擁する世界最古の企業。現在深刻な課題となっている後継者不足に対応するため、2021年より「匠育成塾」を開設し、伝統の建築技術を継承する若手職人の育成に取り組んでいる。現存の数少ない和蝋燭の生産者である京都の中村ローソクは、原材料のハゼの栽培や昔ながらの販売方法からの脱却も進めながら、和蝋燭の再興のため尽力している。同じく京都の南條工房は鳴物神仏具を製作する工房で、複数の職人が協力して作業を行なうことから、計画的な職人確保が事業継続には不可欠。現在弟子育成のための体制の構築を進めている。今回の受賞が、将来にわたる後継者育成のための、3社の継続的な歩みの一助となることが期待される。
「次世代の工芸」に相応しい商品・作品を支援する〈DENTOアワーズ:工芸アワード(商品・作品)〉を受賞した新潟県三条市の金工作家・須佐真による《鍛蛇の目槌文香炉「巳刻」》は、伝統的な鎚起銅器の高度な技術と現代的な感性を生かしたスタイリッシュな表現が評価された。徳島の森工芸による《藍漆 PLATE》は、突板の従来の技法の追求にとどまらず、藍漆という独自の塗料との組み合わせによって、今までにない独創的な作品を作り上げたことが評価され受賞に至った。
DENTOでは、来年度も同様の支援プログラムを実施予定。日本の伝統工芸の継承と発展のため、継続的な支援の実施が望まれる。
DENTO 伝燈
オフィシャルサイト:https://dento-japan.co.jp/ja/home-jp/
「第2回DENTOサポートプログラム」受賞者
〈若手職人支援(弟子育成)プログラム〉
株式会社金剛組 [宮大工]
有限会社中村ローソク [和蝋燭]
有限会社南條工房 [京仏具、佐波理製鳴物神仏具]
〈DENTOアワーズ:工芸アワード(商品・作品)〉
須佐 真 [鎚起銅器]
MORI KOUGEI [突板工芸]
〈DENTOアワーズ:クリエイティヴ・アワード(新商品アイデア)〉
該当者なし
「第2回DENTOサポートプログラム」審査員
ルガシ・アブラハム
齋藤 峰明
西堀 耕太郎