インタビュー:陶芸家・加藤亮太郎
VOICE VOL.7
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Ateliers d’Art de France(アトリエ・ダール・ド・フランス)が主催するアートとクラフトの国際ビエンナーレ、第6回『Révélations(レベラシオン)』が2023年6月7日(水)から11日(日)の期間、パリ中心部のエッフェル塔に面した会場、グラン・パレ・エフェメールで開催される。2013年に始まった現代工芸のための本イベントは今年で10周年を迎え、5日間のイベントには29カ国から350の出展者が集まる予定だ。デザイン、コレクター、ギャラリー、著名団体、アーティストの各界を代表する11名で構成されているRévélationsの芸術運営委員会が、ビエンナーレの芸術的水準を維持するため出展者を選定。出展者はアーティスト、工芸の専門家、メーカー、ギャラリー、デザイナー、財団や関連団体など常連の参加者から新人まで幅広く、現代性を備えた個性的かつ大胆な作品が3万9千人に近い世界中からの来場者に披露される。ビエンナーレは今回のために特別に制作された作品を通して、卓越した技術や素材の変遷、新たな才能を見出す価値を広めている。
Révélationsでは毎回、ビジュアル・アイデンティティとしてイベントを象徴する作品を展示しており、今回はロンドンで多分野にわたる創作活動を行なう日本人アーティスト、前田邦子氏の立体作品が選ばれた。作品は鳥の羽、その滑らかな質感と動きからインスピレーションを受け、作家が好んで使う素材である紙の軽さ、流動性、柔軟性、繊細さを表現。デジタルテクノロジーと日本の伝統的な職人技の融合による作品は、レーザーカットした紙とアクリル塗料、柿渋を組み合わせており、素材の限界を押し広げ、さらなる可能性を追求している。作品はビエンナーレの本質である、国際的な現代工芸を体現している。
イベントでは毎回、優れた作品の展示を通して特定の地域の工芸に焦点を当てているが、今回はケベックが特集される。また、イベントの一つである国際展示会『Le Banquet』では、約100点に及ぶ作品の展示を通して、世界の10の国と地域の職人技に関する新たな特徴や新鮮な視点も紹介される。作品の展示以外にも、ワークショップ、ガイドツアー、一連のカンファレンスやフィルム上映会などのプログラムも見逃せない。
日本の工芸では、外山和洋氏(金工)、本間健司氏(漆芸)、象彦(漆芸)の3者の作品が展示される。世界中の素晴らしい工芸に出会えるまたとない機会、ぜひ訪れたい。
◼️関連情報
『RÉVÉLATIONS』
会期:2023年6月7日(水)〜11日(日)
会場:グラン・パレ・エフェメール(Plateau Joffre, 75007 Paris)
詳細・チケット情報:https://www.revelations-grandpalais.com/