「日本のラグジュアリー」
連載コラム『日本工芸の歩む道』後編「現代社会と工芸」 VOL.4

展覧会情報やインタビューなど、工芸に関するさまざま情報を発信しています。
山梨県
2025.11.18 – 2026.2.1
山梨県立美術館
2025.11.22 – 12.3
SML
東京都
2025.11.26 – 12.1
柿傳ギャラリー
東京都
2025.11.28 – 12.7
しぶや黒田陶苑
京都在住の竹工芸作家、小倉智恵美作《銘々皿 ―四季の模様―》。それぞれ春夏秋冬の季節を象徴する模様が編まれており、春は牡丹、夏は鉄線、秋は菊、冬は雪がモチーフとなっている。繊細な編み模様の中に、作家自身の四季を愛する心が込められた、情趣溢れる表現が魅力だ。気軽に使いやすい銘々皿にこうした美しい意匠が施されていることで、日常生活は豊かに彩られる。
日本の竹工芸においては、これまでさまざまな編組技法が考案されてきた。現在では、組み合わせによって200種類以上の編み方が可能であるという。小倉氏は幅や厚さを0.1ミリ単位で整えた竹ひごを用い、伝統的な編組を効果的に組み合わせながら、熟考を重ねたデザインを丁寧に編み上げている。最良の美を求め、全体のバランスから細部の構成に至るまで細やかに心を配って制作する道程は容易ではないだろう。本作は作家の技巧と日本の美的感性を堪能することのできる、まさに一級品と言って差し支えない作品である。