MUFG工芸プロジェクト「第一回KOGEI ARTISTS LEAGUE」展示販売会を開催
注目の展覧会・イベント VOL.67

展覧会情報やインタビューなど、工芸に関するさまざま情報を発信しています。
東京都
2025.8.1 – 8.20
和光 本店地階 アーツアンドカルチャー
京都府
2025.8.9 – 12.21
樂美術館
東京都
2025.8.13 – 8.18
日本橋髙島屋
岐阜県
2025.8.16 – 8.31
GALLERY crossing
ゆるやかに立ち上る霧の中、朝日を受けて輝く薬師寺。奈良を象徴する景色を映し出す茶碗は、赤膚焼の窯元、香柏窯で作陶を行なう尾西宏紀による作品だ。奈良を代表するやきものである赤膚焼は古い歴史を持ち、当地の寺社にも多くの作品が納められている。
艶のある釉薬の上からも土感を感じる手触りと、しっとりとした風合いの高台を持つ茶碗は、国宝の薬師寺東塔の修繕の際に、基礎部分より掘り出された創建時の土を譲り受けて作られた。鉄分が多く焼成は困難であったが、試行錯誤の上、基壇土のみを陶土として使用。焼成によって茶碗の見込みに現れた釉薬の変化を朝霧に見立て、その中に立つ薬師寺の姿が金彩で丁寧に描かれている。かつての都、平城京最古の建造物であり1300年の時の流れを汲む薬師寺の化身のように、その佇まいは揺るぎなく、力強い。