「クラフトマンシップ」
連載コラム『日本工芸の歩む道』後編「現代社会と工芸」 VOL.2
展覧会情報やインタビューなど、工芸に関するさまざま情報を発信しています。
深川萩の全5つの窯元から8人の作家が出展する、萩焼文化を体験できるイベント『うつわの秋』が、今秋も山口県の長門湯本温泉街で開催される。今年のテーマは「いろとり」。木々が色づく美しい季節にちなんで、色とりどりの萩焼の展示やさまざまな企画が、2024年9月14日(土)から10月14日(月)の日程で予定されている。
長門湯本温泉を象徴するメイン会場の立ち寄り湯、恩湯(おんとう)では、深川萩の伝統的な技術・素材による5窯8作家の作品の特別展示が、会期中の9月14日(土)から23日(月)の期間限定で開催。サテライト会場は昨年より多く4箇所設けられ、おとずれ堂では茶陶やオブジェなど作家性の強い作品の展示、cafe&pottery音では日常に取り入れやすい作品の展示販売、大谷山荘内のギャラリーでは深川萩作家の酒器の展示、玉仙閣では新しい萩焼のスタイルを提案する田原崇雄のTシリーズの特別展示が行なわれる。
関連イベントでは、長門湯本温泉の川床を茶室に見立て、音信川のせせらぎと共に抹茶を楽しめる毎年好評の川床喫茶のほか、深川萩の窯元、新庄助右衛門窯で作家から歴史や作品について直接話を聞き、大正時代まで使用されていた山口県指定文化財の共同窯を訪問できるツアーや、同窯の14代新庄貞嗣のギャラリートークもあり、深川萩をより深く体験できる内容となっている。そのほか、初心者でも気軽に参加できるcafe&pottery音での金継ぎ体験や、界 長門のあけぼのカフェでメニューに加わったどら焼きと抹茶の野点セット、13代田原陶兵衛の作品で提供される長門市初のクラフトジンを使った限定ドリンク、クラフトビールを深川萩のビアマグで飲み比べる企画など、温泉街のいたるところで深川萩に出会えるだろう。
1657年に萩藩の御用窯として開窯して以来、その伝統を今に繋いでいる深川窯。長門湯本温泉では窯元と温泉街のスタッフが一体となって訪れる人をあたたかく迎えてくれる。深まる秋の景色を楽しみながら土地に息づく歴史と文化に触れることで、萩焼の新たな魅力を発見したい。
◾️深川萩五窯と出展作家
坂倉新兵衛窯(16代 坂倉新兵衛、坂倉一渓)
坂倉善右衛門窯(10代 坂倉善右衛門)
坂田泥華窯(坂田澄治)
新庄助右衛門窯(14代 新庄貞嗣、新庄紹弘)
田原陶兵衛窯(13代 田原陶兵衛、田原崇雄)
※16代坂倉新兵衛は来春に襲名披露展を予定しているため、「うつわの秋」では坂倉新兵衛窯と坂倉正紘時代の作品を展示予定
◾️開催概要
『うつわの秋 vol.05』
会期 : 2024年9月14日(土)〜10月14日(月)
※メイン会場「恩湯」での特別展示の開催期間は2024年9月14日(土)〜23日(月)
会場:長門湯本温泉
主催:萩焼深川窯振興協議会/長門湯本温泉まち株式会社
共催:長門市
深川萩公式ウェブサイト:https://fukawahagi.jp/utsuwanoaki2024/
※各イベントへの参加には事前予約が必要な場合があります。詳細は公式ウェブサイトにて直接ご確認ください