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長門湯本温泉にて深川萩を体験する『うつわの秋 vol.04』開催

2023年9月16日(土)から25日(月)の期間、山口県の長門湯本温泉にて『うつわの秋 vol.04』が開催される。2020年に始まった当イベントは、秋の温泉街を舞台に、隣合う集落の三ノ瀬から深川窯の全5つの窯元、8人の作家が出展し、深川窯の伝統と萩焼文化を体験できる催しだ。メイン会場となる2020年にリノベーションした立ち寄り湯「恩湯(おんとう)」では、今年のテーマ「秋暁(しゅうぎょう)」をイメージし、深川萩の伝統的な技術・素材により作られた作品「明けの器」を展示。萩焼のギャラリーであり、オリジナル商品やお土産品も扱う「おとずれ堂」では、茶陶やオブジェなど作家性の強い作品が展示され、地元作家の萩焼で自家製ケーキやドリンクを提供する「cafe&pottery音」では、カップやお皿など日常使いの作品販売が行なわれる。特別企画として、長門湯本温泉の川床を茶室に見立て、作家自らが点てる抹茶を深川萩で味わえる「川床喫茶」や、13代田原陶兵衛氏、10代坂倉善右衛門氏によるギャラリートークも開催予定。他にも深川萩の茶碗を使用した野点体験や作家の器で楽しめるクラフトジンやビールの飲み比べなど、温泉街の各施設で萩焼を体験できるイベントが企画されている。

萩焼の歴史は16世紀末にまでさかのぼる。深川窯は1657年に萩藩の御用窯として現在の山口県長門市深川湯本三ノ瀬に開窯したのが始まりとされ、現在もその流れをくむ5つの窯元が約360年に渡って深川萩の陶工集落の歴史をつないでいる。隣の山間にある長門湯本温泉は山口県で最も古い約600年の歴史を持ち、リニューアルが進む温泉街は近年注目の旅先だ。温泉巡りと歴史ある萩焼の魅力が堪能できるイベント、ぜひゆっくりと楽しみたい。

 

◾️深川萩五窯と出展作家
坂倉新兵衛窯(15代 坂倉新兵衛、坂倉正紘)
坂倉善右衛門窯(10代 坂倉善右衛門)
坂田泥華窯(坂田澄治)
新庄助右衛門窯(14代 新庄貞嗣、新庄紹弘)
田原陶兵衛窯(13代 田原陶兵衛、田原崇雄)

◾️開催概要
『うつわの秋 vol.4』
会期:2023年9月16日(土)〜25日(月)
会場:長門湯本温泉 恩湯(おんとう)/おとずれ堂ギャラリー/cafe&pottery音
主催:萩焼深川窯振興協議会/長門湯本温泉まち株式会社
共催:長門市
公式ウェブサイト:https://fukawahagi.jp/utsuwanoaki2023

※各イベントへの参加には事前予約が必要な場合があります。詳細は公式ウェブサイトにて直接ご確認ください。

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KOGEI STANDARD

編集部

KOGEI STANDARDの編集部。作り手、ギャラリスト、キュレーター、産地のコーディネーターなど、日本の現代工芸に関する幅広い情報網を持ち、日々、取材・編集・情報発信を行なっている。