「クラフトマンシップ」
連載コラム『日本工芸の歩む道』後編「現代社会と工芸」 VOL.2
展覧会情報やインタビューなど、工芸に関するさまざま情報を発信しています。
京都出身の山口省三さん。出身地の京都に関わる仕事がしたいという想いで、1998年に京焼を専門とする熊谷聡商店に入社し、営業担当として同社の販路を切り拓いてきた。
これまでの勤務経験のなかで最も印象深い出来事は、入社2年目で取り組んだ、箸置きの商品開発だ。得意先の店主から相談を受け、要望を聞き取りながら、窯元と連携して新商品を制作。その達成感が契機となり、その後も数々のオリジナル箸置きを生み出した。仕事をしていて、一番嬉しいのは、店頭で商品を手に取ったお客様から良い反応を得たとき。「探していたものが見つかりました!と言っていただけることがすごく嬉しい。痒い所に手が届く商品づくりにやりがいを感じます」。
家庭で手軽に季節感を味わえる箸置きは、京焼を楽しむ第一歩。山口さんが伝える京焼の世界は、子どもから大人まで全ての人に開かれている。