四十沢木材工芸のショールーム「四十沢木材工芸 Factory’s Gallery」が新規オープン
工芸トピックス VOL.18

展覧会情報やインタビューなど、工芸に関するさまざま情報を発信しています。
石川県
2023.12.2 – 12.26
石川県輪島漆芸美術館
東京都
2023.12.6 – 12.12
日本橋三越本店
2023.12.8 – 12.18
雨晴
京都府
2023.12.9 – 12.17
essence kyoto
能登半島北部に位置する輪島市。この地域で生産される輪島塗は、「地の粉」と呼ばれる地域特有の珪藻土を混ぜた漆を使う。その漆を塗り重ねた下地に、純度の高い漆を幾十にも重ねる伝統的な製法で造られており、堅牢さと沈金や蒔絵による優美な装飾で知られている。1888年に創業した藤八屋は、地域の職人を統括し、輪島塗の製造販売を行う塗師屋だ。創業当時は全国各地へ行商していたが、現在の「親方」である塩士正英さんの父の代から、業務用漆器のオーダーメイドに力を入れてきた。
正英さんは、伝統的な技法を用いながらも、業務用として耐え得る、丈夫さと使いやすさを追い求めてきた。飲食店の現場の声を聞きながら、形状、色合い、堅牢度、いずれの面からも幾度もの試作を重ねてきたという。塗師としてのこだわりは強く、藤八屋が手がける漆器はすべて、最後の仕上げを、必ず正英さんが行なっている。
120以上の工程を重ねる輪島塗の伝統製法を守りながら、顧客の要望に寄り添うものづくりへの信頼は厚く、得意先にはミシュラン星つきの一流店が名を連ねる。また本店では、普段づかいの漆器やアクセサリーなども販売しており、これらの商品を企画する正英さんの妻の純永さんは、輪島の漆器の良さを伝え、日常使いしてもらうための活動に尽力してきた。輪島塗の発展を願い、海外販路開拓という新たなステージも目指している。