『工芸シンポジウム2026 工芸は越境する 〜日本から世界へ、伝統から未来へ〜』開催
注目の展覧会・イベント VOL.81

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東京都
2026.3.19 – 3.29
セイコーハウスホール
東京都
2026.3.20 – 3.24
しぶや黒田陶苑
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2026.3.20 – 3.29
加島美術
東京都
2026.3.20 – 3.29
八丁堀 とべとべくさ
まるで幾千年の時を経た遺構のように、静かに佇む無彩の香炉。山口県萩市の陶芸家・渋谷英一が、萩の土を用いて手びねりで成形した作品である。焼成の火が土の質感に複雑な表情をもたらし、色を削ぎ落とした表面に、深く沈むような陰影が宿る。
渋谷の《地乃器》の主題は「時」だ。本作は、作家が滞在先のイタリアで目にした古代ローマの水道橋から着想を得ている。一方で萩の街にも、時を重ねた歴史的文化財が静かに立ち続けている。二つの風景は、遠く離れながらも同じ地脈でつながるようであり、そこに作家自身の感性も重なってゆく。本作に表現される時を超えた美は、きっと未来の鑑賞者にも届くだろう。
伝統の素材と土地の風土、そして作家の創造的感覚が交差する瞬間に生まれるもの。その地域性と創造性のどちらか一つでも欠ければ、本作は生まれなかったといえる。萩という地への憧憬と創造への意志が静かに混じり合い、この香炉は現代を生きている。