ZOZO NEXT、伝統工芸と先端技術を融合する新プロジェクト「呼色」を始動
工芸トピックス VOL.51

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奈良県桜井市、自然豊かな山中に工房を構える辻󠄀村塊。自ら築いた窯で薪を焚き、実直に作陶と向き合うその日々が、作品に宿る圧倒的な力の源泉である。
本作《伊賀茶碗》は、火と土との対話を積み重ねる中で磨かれた、作家の瑞々しい感性に満ちている。意図的に歪められた沓形の造形は、器としての均衡を保ちながら、山間を吹き抜ける風のような自由さを湛え、遊び心に満ちた独特の存在感を放つ。数日間に及ぶ熾烈な焼成を経て、器には鮮やかな緑のビードロが滴り、夕闇に染まる山肌を思わせる緋色が地肌を深く彩る。
特筆すべきは、その赤々とした土に露出した無数の白い長石だ。それは、薪から弾け飛んだ火の粉がそのまま土に焼き付いたかのような、鮮烈な生の躍動を感じさせる。自身が本当に「良い」と思えるものを作る、その純粋な作陶への対峙が生んだ確かな生命力が、この一碗に凝縮されている。