「クラフトマンシップ」
連載コラム『日本工芸の歩む道』後編「現代社会と工芸」 VOL.2
展覧会情報やインタビューなど、工芸に関するさまざま情報を発信しています。
四津川元将さん・ 晋さん兄弟は、高岡銅器の企画販売を行なう四津川製作所で、それぞれ社長と専務を務めている。元将さんは、大学卒業後まもなく入社。晋さんは、別会社にてアメリカ駐在を経験した後、家業のものづくりの魅力を再発見し、2003年に帰郷。元将さんとともに新ブランド「KISEN」の立ち上げに尽力した。現在、老舗ブランド「喜泉堂」は元将さんが、「KISEN」は晋さんが中心となって牽引している。
新旧ブランドの各事業が、産地の職人を守り育てることにもつながっているのは想像に難くない。「高岡銅器という看板があるから、僕らは様々なことに挑戦できる。産地に対して、少しでも恩返ししていける会社でありたい」。そう語る元将さんにとって、ともに会社を盛り上げる晋さんの存在は大きい。「ものづくりに邁進する彼がいるからこそ、僕は会社として、産地としての在り方を考えることができる。そうやって会社はより良くなっていく」。
人に感謝しながら、人からも感謝されるものづくりを。信頼し合う兄弟の、二人三脚の挑戦は続く。