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高岡銅器を身近に体験する一棟貸し民家ホテル「金ノ三寸」

築100年の町家をリノベーションして誕生した「金ノ三寸」

2021年に富山県高岡市にオープンした「金ノ三寸(かねのさんずん)」は、高岡銅器を実際に使う、体感する、生活の中に溶け込ませることで高岡銅器そのものの理解を促進することを目指して生まれた、一棟貸し切りの民家ホテル。鋳物の街・高岡市金屋町の築100年の町家をリノベーションし、外観は千本格子(さまのこ)のある伝統的な意匠を復活させ、内部はモダンなデザインと匠の技を融合させた快適で清潔感のある空間を提供する。

金ノ三寸は、高岡銅器メーカー「四津川製作所」の代表取締役である四津川元将氏が中心となって設立した合同会社葉月が運営するホテル。設立の背景には、「約400年の歴史のある高岡銅器を身近に感じられる場を作り、風情あふれる金屋町の魅力を多くの人に伝えたい」との思いがある。最大宿泊人数8名の「八」、4名の「月」の2棟で構成される客室は、それぞれ素材やデザインにこだわった設備やアメニティが取り揃えられ、内装には四津川製作所のプロダクトのほか、富山にゆかりのある多くの作家が創作した作品が設置されている。四津川製作所ならではの個性を大切にしつつ地域全体の魅力がちりばめられた空間で、家族やカップルだけでなく、女子会などの大人数の宿泊でも気兼ねなく快適な滞在を楽しむことのできる施設だ。

「八」にはキッチンとカウンターコーナーを完備。四津川氏自身がシェフと共にキッチンで朝食を作り、夜はバーのマスターとしてカウンターに立つ。利用者から直接感想を聞くことを楽しみにしているそうだ。高岡を訪れる際は、金ノ三寸で上質な宿泊体験を堪能してみてはいかがだろうか。

 

■ ホテル概要
名称:民家ホテル 金ノ三寸
所在地:〒933-0841 富山県高岡市金屋町4-12
施設:フロント、バー ※朝食・バーともに事前予約制
アクセス:高岡駅からバスで10分、新高岡駅から電車で30分、富山駅から電車で40分
ウェブサイト:https://kanenosanzun.jp/

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KOGEI STANDARD

編集部

KOGEI STANDARDの編集部。作り手、ギャラリスト、キュレーター、産地のコーディネーターなど、日本の現代工芸に関する幅広い情報網を持ち、日々、取材・編集・情報発信を行なっている。