『LOEWE FOUNDATION Craft Prize 2026』日本人3名を含む30組のファイナリストを発表
注目の展覧会・イベント VOL.82

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東京都
2026.3.19 – 3.29
セイコーハウスホール
東京都
2026.3.20 – 3.24
しぶや黒田陶苑
東京都
2026.3.20 – 3.29
加島美術
東京都
2026.3.20 – 3.29
八丁堀 とべとべくさ
《キュイールデザイン墨山水 水指》は、伊万里鍋島の窯元・畑萬陶苑四代目当主の畑石眞嗣が制作した作品。畑萬陶苑は鍋島焼の故郷である大川内山に約100年にわたり続く窯元である。
見どころの多い本作の中でもまず触れておきたいのは、器体の肩から胴に施された染付技法による山水絵だ。山水絵は畑萬陶苑が代々得意としているモチーフで、水墨画のようなにじみや濃淡を駆使した、たおやかで美しい風景が趣深い。一方、山水絵の他は蓋の摘み以外黒一色であるが、窯元独自のキュイール技法が作る革のシボのような質感と光沢によって高級感際立つ仕上がりとなっており、これが山水絵を挟むように配置された構図により、全体に引き締まった印象を与えている。引いて全体を見れば、やや下膨れの柔らかな曲線が作る形状に、胴締紐様の金彩装飾がさりげないアクセントとなっている。さらに蓋裏にも描かれた山水絵が、憎い演出である。
卓越した絵付け技術を生かしながら、新たな表現を模索し続け、これまでにない磁器作品を生み出している畑石眞嗣。本作は、氏の窯元当主としての、そして作家としての矜持が詰まった作品と言っても過言ではないだろう。