「クラフトマンシップ」
連載コラム『日本工芸の歩む道』後編「現代社会と工芸」 VOL.2
展覧会情報やインタビューなど、工芸に関するさまざま情報を発信しています。
19世紀初頭に生まれた瀬戸染付。瀬戸の自然を写し描く瀬戸独自の技法として、長く人々に親しまれてきた。
本作は、1919年創業の瀬戸の窯元「眞窯」による、長角プレート。真っ白な白磁のキャンバスに咲く、一輪の菊が美しい。無釉の磁肌に描かれた迷いのない呉須の濃淡が、意匠の確かな存在感と、染付の上品さの演出を同時に叶えている。瀬戸の職人の手による筆の跡を、じっくりと味わいたい逸品。