福井のものづくりを体感する工房見学イベント『RENEW/2023』開催
注目の展覧会・イベント VOL.42

作家、光井威善はものづくりに惹かれて工芸の道に進み、ガラス制作を学んだ後、富山のガラス工房を経て独立。色そのものよりも、色の濃淡に特に美しさを感じるという氏の作品は、控えめな色彩の移ろいや陰影が、繊細な美的感覚で表現されている。
薄墨色のガラスの中で琥珀色の波が揺らめくように見える本作は、手吹きで作られた伸びやかな形状の上に、外被せという技法で異なる色のガラスを被せている。二つの色が絶妙に重なり合い生まれる、複雑な色調。本来硬質なガラスにもかかわらず、有機的なぬくもりが宿っているようだ。
柔らかく澄んだ色合いを湛える作品は、空間を心地よい光で満たしてくれる。午後の陽だまりに佇むような、穏やかな時を演出してくれるだろう。