越前漆器のメーカー、漆琳堂が産地の課題解決に向き合い、自社内に木地場を新設
工芸トピックス VOL.28
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東京都
2024.7.11 – 9.29
戸栗美術館
岐阜県
2024.7.13 – 9.29
岐阜県現代陶芸美術館
富山県
2024.7.13 – 10.14
富山市ガラス美術館
東京都
2024.7.26 – 7.31
柿傳ギャラリー
手に馴染む、胴がわずかにくびれた半筒型の黒茶碗。漆黒とは異なる、煤竹色に近いくすんだ色をしている。かせた表情とざらりとした手触りの中にも、ほんの少し艶を残す、不思議な質感。その佇まいは、400年余りも前に誕生した当時の「侘び寂び」の風情が、時を超えて現代によみがえったかのようだ。
柳下季器は、侘び寂びの精神を尊び、その世界を現代にありのまま再現すべく作陶に取り組む陶芸家。千利休が追求したこの哲学を映し出す作品として知られる長次郎の手によるものは、それが世に出た当時「今焼茶碗」と称されていたという。柳下氏の「今焼黒茶碗」は、この長次郎の作品に範を取ったものだ。
ろくろを使わず、手捏ねで形作られる茶碗は、茶の温かさを掌にじんわりと伝えてくれるだろう。侘び寂びの道が導くままに、この一碗とともに自身の心と向き合い、静けさに身を任せてみるのも良いかもしれない。