日本とフランスの工芸作家が集う『KOGEism 2026 ― 素材と人の思想展 ―』が六本木・AXIS Gallery、銀座 蔦屋書店で開催
注目の展覧会・イベント VOL.97

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工芸トピックス VOL.61
工芸トピックス VOL.60
黒田藩の御用窯を起源とし、「綺麗寂び」と称される洗練された美が特徴の高取焼。それは、唐臼で砕いたきめ細かな土を用いた薄造りの精巧な胎、一子相伝の「秘伝書」によって代々受け継がれる多様な釉薬、薪窯による偶発的な窯変の妙など、420年にわたり守り伝えられてきた伝統を礎としている。
高取焼の始祖・初代八山の直系窯元である高取焼宗家の後嗣、髙取春慶による本作は、こうした系譜に立ちながら、新たな表現を切り拓いた意欲作である。とりわけ《銀彩片口》は、鈍い金色を帯びた釉が光によって豊かな表情を見せ、その上に施された銀彩が華やかな輝きを添える。溶岩のような荒々しい質感との対比も見どころのひとつだ。多彩な釉薬を操る高取焼に銀彩という装飾技法を取り入れることで生まれた作品には、作家の金属工芸の知見や、茶の湯で培った審美眼も生きている。陶と銀、それぞれの素材の魅力を引き立てる表現。そこには、伝統と現代が響き合う確かな手応えが感じられる。


