インタビュー:陶芸家・加藤亮太郎
VOICE VOL.7
展覧会情報やインタビューなど、工芸に関するさまざま情報を発信しています。
絵画作品のような絵付けが魅力のガラス作家、西山雪。ガラス制作を学んだ後、日本とスウェーデンの作家の元で経験を積み、現在は生まれ育った北海道の自然の中で創作活動を行っている。
西山氏は自らを取り巻く自然界の力を全身に感じながら竿を操り、熱いガラスの塊に息を吹き込んで軽快に形を仕上げていく。作り上げたガラスの表面にわずかに彫りを入れ陰影を出し、さらにエナメル絵の具で鉢の内と外の両面に繊細な絵付けを施すことで、見ていると引き込まれるような、奥行きある自然の情景が生み出されている。
砕いた氷のようなガラス鉢にミモザの花が柔らかく広がる様子は、明るい春の訪れを感じさせる。日々絶えず変化し続ける季節の一瞬のきらめきを捉えた、生命力輝く作品である。