東京・代々木上原にアートスペース「Lei Gallery Tokyo」開設
工芸トピックス VOL.57

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星野友幸による《茶盌 苺乳》は、ピンクに着色した信楽の陶土を手びねりで成形し、石灰釉をたっぷりとかけて焼き上げた作品である。濃いピンクの胎土と厚みのある白い釉が織りなす景色は、まるで「いちごミルク」。作家はその印象から「苺乳(ばいにゅう)」と名付けたという。胎土から点々と覗く白い長石はさながら砂糖を散らしたかのようで、一目見れば、あの優しい甘さの記憶が呼び覚まされるだろう。手びねりならではの伸びやかさや、削り出しによって生まれた造形も見どころの一つである。
星野は長年にわたり作品の中心に据えてきたピンクという色について、自身の内面にある欲や業、日常の中で抑圧される感情や衝動を映し出す象徴として捉えているという。本作においても、その色彩は単なる装飾ではなく、本質的な自己を投影した表現として存在している。親しみやすく甘やかな佇まいの奥に、人間の内面への深いまなざしを秘めた一碗である。