POJ Studio、京都・五条に日本の職人技を体感できる新拠点をオープン
工芸トピックス VOL.44

展覧会情報やインタビューなど、工芸に関するさまざま情報を発信しています。
2025.10.3 – 11.16
大分市美術館
2025.10.4 – 11.16
遊朴館 HIDA GALLERY
岐阜県
2025.10.4 – 11.29
岐阜現代美術館
2025.10.4 – 12.7
佐賀県立九州陶磁文化館
中国陶磁の最高峰とも言われ、今も人々を魅了する宋代の名品の数々。今泉毅はその普遍的な美しさに惹かれ、青瓷や天目に取り組んでいる作家だ。真摯に制作に向き合う日々を積み重ね、造形・釉薬ともに研ぎ澄まされた作品を世に送り出している。
本作《翠青瓷盃》は、優美な曲線を描く口縁が作品に躍動感を与え、高めに作られた小ぶりの高台が心地良い緊張感を醸し出している。透き通った清流のように滑らかに器肌を覆う釉薬は、口元で黒い胎土を見せ、見込みや高台際では、翡翠のようにひときわ鮮やかに色付いている。複雑に重なり合う貫入は墨が入ることでその存在感を増し、観る者を奥へ奥へと誘うような深みを作り出した。
一輪の花のように美しい立姿、その隅々まで作家の美意識が感じられる。長く手元に置き、深まる色合いと貫入の変化を眺め続けたいと思わせる作品だ。