文化の仕事と人材をつなぐ「CULTURAL JOB FAIR」京都での初開催を発表
工芸トピックス VOL.58

植物の実や種など、自然界の造形をモチーフに制作を続けている作家、高橋奈己。普遍的な美しさを持つ作品は多くの人を魅了し、日本のみならず海外にも活躍の場を広げている。空間に映える大ぶりの花器から茶碗や水指などの茶器まで作品は幅広く、造形美が際立つ白磁を主に制作を行なっている。
幼い頃から粘土で自由に形を作ることに惹かれていた作家が、陶芸家として追求しているのは型を用いた鋳込成形の技法。型から作品を取り出した後、焼成前に表面を手作業で丁寧に削り、細部まで形状を整えている。磁土の潔い白は、しなやかに流れる曲線と深い凹凸が生む陰影をより一層引き立たせ、艶を抑えた滑らかな質感が、光を受けて柔らかな雰囲気を醸し出している。
凛とした存在の中に、生き生きとした気配が感じられるのは、生命力あふれる自然の美を作品に映し出す表現力によるものだろう。造形美を極める作家が見せる、光と影が彩る美しい白の世界が今後も楽しみでならない。