日本とフランスの工芸作家が集う『KOGEism 2026 ― 素材と人の思想展 ―』が六本木・AXIS Gallery、銀座 蔦屋書店で開催
注目の展覧会・イベント VOL.97

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注目の展覧会・イベント VOL.97
注目の展覧会・イベント VOL.96
工芸トピックス VOL.61
工芸トピックス VOL.60
佐賀県有田を拠点に活動する陶芸家・中村清吾は、甲虫をモチーフとした造形作品を継続的に手がけている。本作《白磁壺》もその一つで、甲虫の張りつめた殻の曲面や内に秘めた力強さを、有機的な造形へと昇華している。ろくろで成形した後、土がまだ柔らかい段階で器の内側から手で押し出すように形を整え、均整の取れた輪郭に大胆な起伏を与えることで、豊かな量感を生み出した。白い磁肌は柔らかな光を受け、静かな陰影とほのかな艶を湛える。その穏やかな表情の奥には、凛とした緊張感が息づいている。
加飾に頼らない白磁は、造形そのものが全体の印象を左右する。中村は、伝統的なろくろ技術を礎に、「ろくろ成形でしか生まれない形」を真摯に追い求める。ろくろを回しながら土の性質を手の感覚で捉え、その動きに呼応するように形を導いていく。その造形は、既成概念にとらわれることのない、現代白磁の新たな可能性を示している。


